「雨の日は膝が痛む」
「梅雨時は階段の昇り降りがつらい」。
そんなふうに、天気が悪くなると膝の痛みが強くなると感じたことはありませんか?
こんにちは、大阪市北区てんま活法整骨院の木下です。
天候に左右される関節の不調は、日常生活に大きな支障をきたす深刻な問題です。
実はこれは気のせいではなく、医学的にも裏付けがあります。
東京大学医学部と気象庁が行った研究では、気圧の低下により関節内の圧力が高まります
そして、関節周囲の神経が刺激されやすくなることで、痛みが増すことが報告されています。
また、気温の変化によって自律神経のバランスが乱れ、血流が悪くなったり筋肉が緊張したりすることでも、関節の不快感が引き起こされやすくなります。
今日は我慢すればいいだけ」と軽く考えがちですが、このような痛みが繰り返されることで、関節に慢性的な負担がかかります。
そして、将来的には変形性膝関節症へと進行する可能性もあります。
また、痛みをかばった歩き方が原因で、股関節や腰、足首といった他の関節にも影響を及ぼすことも。
だからこそ、天気による膝の痛みは早期に向き合う必要があるのです。
天気が悪いと膝が痛むとお困りの方はぜひ最後までお読みください。
天候の変化によって膝の痛みが悪化する背景には、いくつもの要因が複雑に絡み合っています。
ここでは特に中高年女性に多く見られる6つの主な原因を、より詳しく解説いたします。
1. 気圧の低下による関節内圧の上昇
通常、関節は関節包という袋状の構造の中に、少量の関節液を含んでおり、滑らかな動きを可能にしています。
ところが、低気圧になると外からの気圧が下がるため、関節内部との圧力差が広がります。
これにより関節内の組織が膨張し、神経が刺激されて圧迫される力が強くなりやすくなります。
特に過去に炎症を起こした関節では、滑膜や靭帯が敏感に高まっているため、少しの圧力の変化でも痛みを感じやすくなるのです。
2. 湿度の上昇による体液バランスの乱れとむくみ
梅雨や台風の時期は空気中の湿度が急激に高くなります。
この環境変化は体内の水分調整機能に負荷をかけ、体液の循環を滞らせてしまいます。
とくに女性は膝から下の血液を体に返す力が弱く、血液やリンパ液が滞りやすいため、関節周囲がむくみやすくなります。
膝周囲がむくむと、関節内での動きが滑らかに行えず、曲げ伸ばしに伴う引っかかり感が発生しやすくなります。
3. 気温低下による血流障害と軟部組織の硬化
気温が低くなると、体の防御反応として手や足の末梢血管が収縮します。
これは体温を維持するために起こる生理反応ですが、筋肉や靭帯に栄養や酸素が届きにくくなります
特に膝関節は太ももとすねの間で大きな可動域を担う部位のため、冷えによる柔軟性の低下が起きると、少しの負荷でも痛みや違和感が生じやすくなるのです。
また、筋肉が冷えて収縮しやすくなると、関節の可動性そのものも落ち、階段昇降や立ち座りの際に痛みを感じやすくなります。
4. 自律神経の乱れによる筋緊張と血行不良
気圧や気温の変化は、体内の自律神経系に影響を与えます。
通常、自律神経は体温調節、心拍、血圧、血管の拡張・収縮を自動的に調整しています。
気象の変化によりそのバランスが乱れると、血流が不安定になったり、筋肉が無意識に緊張します。
こうした自律神経の乱れは、とくに更年期の女性で起きやすく、交感神経が優位になると筋肉のこわばりが増し、膝関節に過剰な負荷がかかる原因となります。
5. 過去の怪我や・炎症歴による組織の過敏化
過去に捻挫や骨折、関節炎などを経験した部位では、回復後も小さな傷や硬くなった組織が残っていることがあります。
こうした組織は気象の変化に対して過敏になっており、わずかな湿度や温度の変動でも痛みを感じやすくなる状態になっていることがあります。
たとえば、昔痛めた膝が雨の日になると疼く、といった症状は、こうした過去に痛めた部分が反応しているケースが少なくありません。
膝の痛みは、単なる気象変化だけでなく、体のゆがみとも深く関係しています。
膝に痛みを訴える患者さんの多くに、姿勢や動作の癖が見られます。
たとえば、片足に体重をかけて立つ、足を組んで長時間座る、ソファに足を投げ出すように座る、などの習慣は、体の左右差を生み、筋肉の使い方が偏ります。
こうした状態では、膝関節を支える太ももの前後や内外の筋肉がバランスを崩し、膝の関節に不自然な力が加わります。
また、膝の痛みがあることで歩き方が変わると、股関節や骨盤、足首との連動性が崩れ、他の部位にまで負担がかかります。
筋肉の張力バランスが崩れることで、関節にかかる負担は大きく変化します。
ゆがみを正すことで、膝の痛みが軽減するケースは非常に多く見られます。
天気による膝の痛みを根本から予防・軽減するためには、日常生活の中で次の3つの視点に意識を向けることが重要です。
単なる冷やさないなどの表面的対策ではなく、体の循環や動作習慣に目を向けたアプローチを心がけましょう。
気温の低下やエアコンによる冷気は、膝関節周囲の血流を著しく悪化させます。
冷えは筋肉の収縮を強めるだけでなく、関節液の粘度も高くして滑らかな動きを妨げます。以下のような実践が有効です:
就寝時:膝掛けやレッグウォーマーを活用。特に冷えやすいふくらはぎから足首も覆うと効果的。
日中:冷房が効いた室内では、ひざ掛けや薄手のロングスカートなどで膝を保護。
入浴:シャワーではなく湯船につかる習慣を。膝までしっかり浸かることで血流が促進されます。
また、冬だけでなく夏場でもエアコンの冷風による「内側からの冷え」が膝痛を悪化させることがあるため、1年を通じて注意が必要です。
足元の安定は膝関節の健康に直結します。
特に雨の日や気圧が下がっている日には、転倒リスクが高まり、膝への負荷が強まるため、以下のような点を見直しましょう
靴底:クッション性とグリップ力があり、滑りにくい素材のものを選ぶ。
ヒールの高さ:2〜3cmまでの安定したヒールがベスト。
サイズ:大きすぎず小さすぎず、足先に余裕がありつつ足全体を包むフィット感のある靴が理想。
特に、かかとが不安定な靴は、膝の横ぶれを引き起こしやすく不安定です。
膝に最も負荷がかかるのは立ち上がる瞬間、しゃがむ時、階段の上り下りです。
これらの動作を意識して行うことで膝への負担を大幅に軽減できます。
階段の上り:膝をなるべく曲げすぎず、太ももの前の筋肉を意識して使う。
手すりを補助的に使うのも有効
階段の下り:痛む方の足から先に下ろすと負担が軽減されやすい。
立ち上がり:太ももやテーブルなどに手を添えて体重を分散させながら前傾姿勢から立ち上がる。
また、床に直接座る和式生活は膝への曲げ伸ばしが大きくなるため、椅子生活を基本とした方が関節を守ることにつながります。
天気が悪いと膝が痛む…。
膝の痛みを持っておられる方の多くが悩まれる症状です。
特に中高年の女性にとっては、また今日も痛い、外に出るのが億劫と感じることが増え、活動範囲や生活の質が下がることも。
しかし、天候による関節痛は正しい知識と対策で軽減できる可能性があります。
気象の変化を受け入れつつも、それに負けない体づくりと使い方を意識することが重要です。
今の症状を年齢のせい、仕方ないこととあきらめず、自分の体と向き合う習慣を身につけていきましょう。
まずは今回の3つのポイントを実践してみてください。
対策を実践してみても変化のない方は、体のゆがみのチェックを専門的な機関で受けてみてください。
当院でも体のゆがみに特化した検査を用いて、体のゆがみを整える施術を行なっています。
天気が悪くなると膝の痛みが強くなるとお悩みの方は一度ご相談ください。